究極の哲学コミック「ファイアパンチ」の感想!

今迄たくさんのコミックを読んできましたが、ここまで頭の痛くなる作品は始めです。
終始「え?は???」の展開の連続でした。なぜファイアパンチは哲学なのか。紹介をしていきます。

本作で問われているテーマを抜粋

本作のテーマは次のような感じになります。

  • 生きるための食人は悪なのか
  • 生きる糧とは何なのか

このテーマに決着がつくとき最終回を迎えると考えています。
なるべくネタバレを避けつつ説明をしていきましょう。

本作品に現れる「祝福者」とは?

一言でいえば超能力者です。
電気や炎を生み出したり驚異的な再生力を持っていたりと能力は様々。

普通の作品であれば超能力は憧れであり、それを駆使して戦う事でしょう。
しかし、この世界で祝福者は不遇な運命に会う人が多いのです。

主人公のアグニは一見して炎の祝福者のように思えますが、違います。
とある事情で全身に消えない炎を浴びせられてしまったんです。

では、なぜアグニは生きているのかと言うと彼の能力に関係しています。
そう、アグニは再生能力の祝福者なのです。

そのため、本来ならば死ぬはずの炎を纏ってファイアパンチとして生き続けています。

食人は悪なのか?

本作の世界は氷の魔女によって極寒の世界になってしまいました。
満足な食料も無い中、多くの人々は栄養不足で死んでいきます。

しかし、アグニが住んでいた村は何とか生活を続けられていました。
それはアグニの腕を食べ続けていたからです。

アグニの再生能力は強力で如何なる状態からも復活します。
腕を切り落としてもナメック星人の如く再生するのです。

それを利用して腕をたくさん切り落として村人に配っていたというわけです。
一見しておぞましい話ですが、生きるためには仕方ないのかもしれません。

しかし、本作の敵となるドマは食人を悪と断定し、アグニと村人を殺していきました。
幸か不幸か再生能力の祝福者であるアグニは死にませんでしたが・・・。

食人は悪なのか。このテーマは重要な意味を持っていきます。
一概に答えは出せませんが、本作を読みながら考えていくのも面白いでしょう。

人の生きる糧とは何なのか

一見無敵と思えるアグニですが、死ぬ方法はあります。
それはアグニ本人が死を願い続ける事です。そうすれば、ゆっくりと死に向かいます。

しかし、アグニは死を望みませんでした。
燃え盛る激痛に気が狂いながらも彼は何年も生き続けています。

それは何故なのでしょうか。
ドマへの復讐心なのでしょうか。
しかし、炎による凄まじい痛みを耐えるだけの理由になるとは思えません。

真の答えは彼女の妹であるルナの「生きて」という言葉にあるのでしょう。

1話でルナもドマによって殺されました。
ルナも再生能力を持ってはいましたが、アグニ程強くは無かったのでドマの力に抗えなかったのです。

そして、死の間際にルナは祝福とも呪いとも言える言葉アグニに贈りました。
その言葉が糧となり、アグニは生き続ける道を選んだのです。

この言葉は物語が進むにつれて何度か聞くことになります。
アグニの生きる糧とは何なのか。

このテーマを考える事は今を生きる僕たちがなぜ生きるのかを考えるヒントにもなるかもしれません。

重く苦しいテーマだか深く考えさせられる傑作

以上のようにテーマだけでも思いファイアパンチですが、その重厚な世界観は読者を飽きさせることは決してありません。
まあ、置いてけぼりになることはあるかもしれませんが。

気になった方はぜひファイアパンチを読んでみて下さい。